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叙情の世界に酔いしれる時。◆哀しみのコルドバ

再演作といえば海外ミュージカルが際立つ近年だけれど、
宝塚においてはやはり柴田侑宏&寺田瀧雄の音世界は肝だなと

私が、宝塚歌劇という世界に必然だと思うのは「叙情性」というもの。
何をもって「叙情」とするかは一概には云えないけれど、胸を締め付けられるような切なさや、物哀しさ。こころの琴線に触れる情感。

例えばそれがシンプルに表現されているのは、童謡

「夕焼小焼の 赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か」(赤とんぼ)

明るくもなく、さりとて暗くもなく、哀しいというにはさりげなく、日本人の心を吸い寄せるメロディと情景が、そこにはあって。

ヒトというのは怒りや、哀しみや、寂しさが絶えることのない愚かな存在だからこそ、遠く過ぎ去った時がいとおしく、叙情歌は私たちの心を打ち続ける。

「知床の岬に はまなすの咲く頃」(知床旅情)

「青葉通り 香る葉みどり 思い出は帰らず」(青葉城恋唄)

「遠き別れにたえかねて この高楼(たかどの)に登るかな 悲しむなかれ我が友よ 旅の衣をととのえよ」(惜別の歌)


まるでその情景をまざまざと思い浮かべることができるほどに、叙情を感じる歌には、明るさとほの暗い影が絶妙に混ざりあっている。

それはいつの時代の歌にも存在するけれど、昭和時代のサウンドにおけるそれは、濃密で湿度の高い、情念の薫りが満ちていると思う。


「哀しみのコルドバ」作詩:柴田侑宏 作曲:寺田瀧雄

あたたかい香りが 辺りに満ちて その時君の睫毛がふるえた
初めての口づけ 熱くやさしく サフランの花が 溜息にゆれた

ふたりは誓った 変らぬ愛を 変らぬ愛などないと知らずに
サンタマリアの祈りの庭で 聞く鐘の音に幸せ数え
互いの瞳 見交わしながら
雲を踏むように 歩き続けたね




美しかった、あの頃を。何も知らなかった、あの頃を。
エリオ・サルバドールが「雲を踏むように 歩き続けたね」と歌い上げるメロディと詞に胸がしめつけられて、どうしようもない。

彼の最後の場面で、サフランの花を植えて・・・と話しかける哀しいほどの明るさと、絶望に満ちた瞳が忘れられなかった。



純愛と呼ぶには激しすぎる情念の詞が胸を痛くする。

「エル・アモール」作詩:柴田侑宏・正塚晴彦 作曲:寺田瀧雄

どれも恋 二度とない そして恋 今一度
かまわない あなたなら そむかれて 一人でも

迷わない あなたなら 逢えなくて 血が滲む
今は恋 あなたなら エル・アモール



「エル・アモール」とかコルドバの曲はほとんど知ってたんだけど。
「逢えなくて血が滲む」・・・これ聴いたとき、心に重く響いてきて、思わず涙ぐんでしまったのは・・・いまの自分だから・・・胸に迫ってきたんだと思う。
こんな詞、いま書けるひといるのかなって。

たとえ古臭いの一言で片付けられたとしても、濃厚な情念の世界を継承していく力を持つ無二の劇団であると信じているし、「湿度の高い濃さ」が敬遠されている平成の現代においては益々その特殊性が高まるばかりだと思う。
もちろん、時代に合わせた作品を造ってゆくことは重要視しなければならないし、古いものには粗があるのは確かだが、柴田侑宏・寺田瀧雄の世界は古さを補って余りある程のチカラを持っている。チカラをもった、マンネリズムだから。

時代と共に変容しながらも、その魂を確実に継承していく劇団であってほしいと願う。
劇団四季でも、東宝ミュージカルでもない、宝塚歌劇にしかできない魂の継承を。
それこそが、かの劇団の最大の価値なのだからと・・・思うんだけど。わたしにとっては。

古いかな?

三回り以上離れた親父には「あんたは同世代より古風」だの(誰のせいやねん)年上のお友達にも「ニケちゃん好みが古い~」といわれてしまう今日この頃。
いや、わかってるけどさ(笑)
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