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[長文] 若手スター退団によせて。

3月も半ば。
様々な発表から時間もたち、それぞれのファンがが未来を見据えて行こうとしているなかで、いまさらという気がしないでもないが、星組楽を挟んで書きそびれたことを記述しておきたいと思う。
出来るだけ感情を抑え目にしたいとは思うが、心情の正直なところを吐露する、というのはそれぞれのファンの心情を傷つけるかもしれないということは、ご承知いただきたい。

望月理世から始まり、麻尋しゅん和涼華、そして七帆ひかるという若手男役の連続退団発表に際して。

先日の宙組退団者発表時(3/63/7)にも書いたが、もともとが宙ファンから入った私にとっては、和涼華・七帆ひかるの退団という事実は、宝塚ファンとしての気持ちを根底を覆されるようなショックだった、ということである。

それは、貴城けいの退団発表を受けた時以来の衝撃だったといってもいい。
貴城けいの1作退団というのは、始まったばかりの私の宝塚ファン生活において、初めての「劇団による裏切り」だった。

「裏切り」とは何か。
「トップスターは唯一無二の絶対存在である」という夢(もちろん夢だということは判っている)を、劇団自ら否定したということだ。そして、十数年スターを育て上げ、晴れてトップという立場を向かえ、これから新しい組として始動するのだという、組ファンの浅はかな夢を。

阪急電鉄株式会社の直轄企業であり、劇団員は社員であり、組替えは部署異動であり、400人もの団員と演出スタッフの給料と維持費を常に生み出さなければならないなどということ、退団というイベントが最大の稼ぎ時であるということも、芸能界である以上、資金(=人事への影響力)が一般ファンが買うチケット代のみに拠るわけではないこともわかっているし、どちらにせよスターに残された時間は限られているし、舞台人としてその後の芸能活動というものも見据えていくならば、いちファンの思い通りの人事になる訳ではないということも、わかってはいるのである。

一概にファンといっても組ファン、個人のファン、それぞれに捉えかたは異なるし、結果的には貴城けいと紫城るいの存在は、前任者の影響力を思えば、宙組にとってもいい意味での分岐点になったと思っている(というか思いたい)。

ただしそれは結果論であって、初心者ファンが勝手に抱いていた「今後の宙組」への幻想を砕かれた瞬間のショック、感情がついていかないまま迎えたお披露目兼退団公演への苦い思い出は、「劇団への不信」へと繋がっていったのも事実だ。

しかしそれはそれとして、新陳代謝の為せる業か、哀しみも憤りも美しい思い出にしてしまえるのがこの劇団の特殊性で、大階段を降りる「卒業」という過程を経ることによっていわば「終わりよければ総てよし」的に納得せざるを得ない、そして次世代の若手の成長を楽しみにする、という宝塚ファンのワザを身に付けることで、私は未だ宝塚ファンでいられるのだと思っていた。

そこへ、次の段階の試練が訪れたのだろうか、新公主演経験者の、若手スターの退団というのは。
それをいうならば昨年の和音美桜退団から始まっていたのかもしれないし、そして今また美羽あさひの退団をも。過去にはもう数え切れないくらい行われてきたことだということは知識として理解はしていたけれども、リアルタイムにその状況におかれる衝撃をいま正に感じている。

望月理世、麻尋しゅんに関しては、歌という武器を持ちながらも、どこかあどけない女性的な部分を残していて、男役という夢を体現するには未だ足りない部分があるとは感じていたけれど、どちらも一見クールな風貌にそぐわないほど熱いハートの芝居をするところを観てきて、非常に好感をもったふたりだ(麻尋は、アンナ・カレーニナを観て特にそう感じた)。

だが周りのスターの台頭によって、もしかしたら・・・と思わないでもなかった。このふたりだけに限ったことではなく、結局のところ、大和悠河柚希礼音のように始めからトップへのレールが敷かれているスターとは違って(もちろんそれはそれなりの苦難の道ではあるだろうが)、普通のスターにとっては、どう転ぶかわからない不確定な状況のなかで、上に向かって泳がざるを得ないのであり、スター以外のジェンヌのように、自分の安定した居場所を得ることは難しいのだろう。それは華やかな道を歩くスターにとっては避けることのできない「決断する時」であったのだと思う。(勝手な想像かもしれないけれども)

しかし、後者のふたりに関しては全く予想の範囲外で、紆余曲折あろうともトップ、もしくはその近くまでは行くだろうと、私は疑いもしなかったのである。

確かに、星に異動してからの和涼華は、あっさりさわやかな芸風と宙風味の薄いお化粧で、よく対位置にいた彩海早矢よりも影薄く感じられることもあったし、素人目にも星のこってりした空気ではなかったとは思う。1学年差の柚希礼音のあおりをくって未だ主演作がないと云われていたことも知っているが、それはタイミングの問題で、劇団はこれから売り出していくのだろうと思っていた。たとえ演技がどうの、歌がどうのと云われていたとしても、あの「炎にくちづけを」の新人公演の映像を観たときから、私は和涼華の「真ん中におけるスターたる資質」を疑ったことはなかったのだ。ビジュアルはもちろんのこと、あの、劇場を包み込むような、透明で穏やかな空気。きっとそれは、和央ようか真飛聖に私が感じている魅力に似ている。そして濁りのない、きらきらとした瞳。技術以上に、夢の世界の王子、を体現できる素質を持っていると、勝手に思っていたのだから。

そして・・・七帆ひかる。ああ、未だにこれだけは信じられない。まだ公演もこれからというのもあり。今この文章を書いていても、悪い冗談にしか思えない。柚希礼音のような急成長は求められなくても、じっくりと宙で育っていたと思うし、早霧せいなが雪へ異動することになった以上、やはり宙の生え抜きとしてこのままトップまでいくのだと(きっと100周年くらいに)友人と話していた矢先の発表だった。

組のトップという席はひとつしかない。実力があろうが、ビジュアルがよかろうが、必ず座れる席ではないし、たとえば今までに惜しまれて辞めた人たちが残っていたところでトップになれたか、なったとしてもそれを維持できる精神力と体力を持ち合わせていたか、それは判らないのである。それだけ過酷な立場だと思うし、例えどんな風に批評されようとも、そこに立っていられるというだけで、常人には及びもつかない力を持ち合わせているのがトップスターであるし、どんなに凡庸に見えたとしても、「トップの運命」を背負うことと、人気スターであることは違う、と思う。

勿論、トップであることが全てではないし、そうならなかったといって貶める必要はなにひとつない。立場の違いはあれども、同じように身体を駆使して仕事をしているひとたちなのだから、私にとってはそれだけで尊敬に値する素晴らしい舞台人だ。

だがしかし、である。
だからこそ、「新人公演の主演をする」というのは、「トップスターへの道を目指します」という、ファンに対する暗黙の宣言なのだと、思っていたし、今でも思っている。

トップ、という明確なビジョンはなくとも、スターというカテゴリの仲間入りをすることで、ファンはそういう認識をする。競争の中に居る人、外に居る人、というカテゴライズをすることでファンはある種の安心感を得られる訳である。

例えどんなに彩海早矢が目立とうとも、和涼華凰稀かなめと同じ立場にはならないし、十輝いりすが目立っていても、七帆ひかると同じにはならないように(まあ、このふたりはもったいないとは思うが、メインを食ってしまうほどの存在感のある脇スターが育つことは重要である)。

競争社会とはいっても「学校」という形態をとっている以上、私たちファンは非常に保守的だと思うし、競争に負けたように見えても、大階段を降りる最後まで見守っていきたい、というのが見守るファンの親心的な心情なのだ。

だから、その枠組みを超える事象が訪れたとき、どう反応すればいいのか困惑してしまうのである。

例えばそれは、新公主演すらしていない凪七瑠海の本公演タイトルロールであったり、羽桜しずくの大抜擢による前例のない博多座主演(相手役)をしながら、未だトップにはなりえないという不可解な人事(順番をすっとばした抜擢であっても、ヒロインというカテゴリの中にいた愛原実花がトップになったことは、まだ理解できる。)。彼女たちを今後どう扱っていきたいのかも全く見えてこない不安定な事象、そして重なるように訪れた、純然たる若手スターたちの退団。もちろん、それぞれがそれぞれの事情を抱えているのだから、簡単に劇団がどうとか云うわけじゃない。劇団といってもひとつの意思で動いている訳ではないのは確実なのだから。ただ、色々なタイミングが重なりすぎて、この激しい惑いを何処にぶつけていいのかわからないのだ。

だから・・・宙の退団まで出たとき、もうこれは「裏切り」だと。個々のジェンヌではなく、劇団をファンに愛させる「枠組みへの裏切り」だと。感情的に、そんな風に受け止めてしまった自分がいた。

主演とは?スターとは?組とは?
もうそんなものは意味がないのだろうかと。あの日、もうほんとうに宝塚を憎みそうになった自分が、哀しかった。

そして、もうひとつ。私の感情以上に。
私のタカラヅカファン暦で(といってもここ数年だが)いちばん古い友人に、七帆ひかるを心から敬愛しているファンがおられる。バレンシアで休演してしまった七帆ひかるを思って、嘆き悲しんでいた彼女を知っている。七帆ひかるという存在によって、どれだけ元気をもらったり、救われているのか。
愛は綺羅星のように美しく、時には羨ましくなるくらいに七帆ひかるを大好きな彼女に…、もうなんて声をかければいいのかわからなかった。
七帆本人よりも、真っ先に思い浮かんだのは彼女の涙する顔だったのだから。

この一連の流れは誰の責任でもないし、誰をも責めたくはない。でも。
私は友人が涙に暮れるのを見たいわけじゃないし、様々な組ファンが同じ組子の事をどうこう云うような状況を見たいわけじゃない。それだけは、確かなのだから。

全ての人にいいように運ぶことはできなくても、あまりにも急展開しすぎる今の状況は喜ばしいとは思えない。だからといってどうすればいいのかなんて、一介のファンには為すすべもないことだけれど。
ただこうして思いをここで書きなぐることしかできないけれど。

月日が流れれば、徐々に受け入れることもできるだろうと思うから、今はこうして記録に留めておこうと思う。

最後に。
ここで幾人かの名前を挙げて言及したが、個々に対する含みがある訳ではなく、どの人もタカラジェンヌとして敬愛しているのだということだけは理解していただければありがたい。

できるだけ冷静に書こうとしたが、堅い長文になってしまって申し訳ない。あまりにも長くなってしまったので、また読み返して修正するかもしれない。
書いても書いてもおわんねー、と少々あせってしまった(もう午前3時過ぎだ!)。
実はまだもう少し書くことはあるんだが、それはまた次の機会に。しばらく怒涛の発表が無いことを祈る。
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Comment

ニケ

こんばんは。

いつもありがとうございます。
結局のところ感情に走ってしまいそうな文章になってお目汚ししてしまいました、すみません。

どんな理由があれども、生徒さんには幸せになっていただきたいと思います。寿であればなおさら。
人間である以上、絵に描いたような幸せはないでしょうけれど、その願いすらも、「タカラヅカファンの夢」なのですから。


仰るとおり、人事の流れがもう少し緩やかであれば、余計な惑いをせずにするのかもと思います。才能でもマネーやコネクションンでもどのような理由の抜擢でもかまわないんです。表には出てこないのですから。

そして表に出てこないがゆえに、ファンの中で無益な争いや惑いが生まれてしまうことの哀しさを感じています。


未曾有の不況の中、そのような甘いことを云っている場合ではない、ということなのかもしれませんね。
ファンは甘い夢を見ていられるけれど、現実に創り出す側の事情も鑑みるならば。



  • URL
  • 2009/03/19 12:42

ニケ

まりさま

初めまして。
コメント、ありがとうございます。
かの方のファンのお言葉を直にお聞きすることができて、嬉しい…といっていいのかなんていっていいのか、でも正直な思いを、ありがとうございます。

あの当時は、私は今のようにヅカ友達も居ず、ひとりで衝撃をうけ、この思いをどうしたらいいのかもわからず、サヨナラショーまで見送りました。

宙組子とかしちゃんるいちゃん達の団結力に、胸が痛くなるほどの切なさを覚え、1作でも、知らない組でも、意味があることだったんだって思うことで受け入れました。
笑顔を絶やさない、素敵で立派な3代目トップさんだったと思います。

生徒さんの退団はいつだって哀しい。

でもいま、どうしてもあの時を思い出す状況にデジャヴを感じ、こんなことを書かずにはいられませんでした。

えりこさんたちの退団理由は、わかりません。
個人的には、劇団がどうのこうのと思っているわけではないのです。年齢的にも、ご家庭の状況も、あることでしょうから、苦悩の末に最善の道を選び取ったのだと思います。

ただ、劇団は確実にこの未曾有の不況に対する対策のために、「何か」をしているのだと思います。それは私のような一介のファンにはうかがい知れないことで、避けることのできない「痛み」なのかもしれませんね。

長文失礼しました・・・m(__)m
それと、ブログの方、リンクさせていただきますね!
  • URL
  • 2009/03/19 13:00

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